プロンプターソフトの選び方|業務用と個人用の違い
日本語で「プロンプターソフト」と言うとき、多くの場合それは放送局やイベント会場で使う業務用のソフトを指します。専用のハードウェアとセットで導入し、操作する担当者がいる前提の製品です。一方、個人が動画を撮るときに必要なのは端末で動くアプリで、価格も導入のしかたも別物です。この記事では、自分の撮影がどちらに当たるかを先に判別できるようにします。
業務用プロンプターソフトとは何か
業務用と呼ばれる製品は、次のような前提で設計されています。
- 専用ハードウェアと組み合わせる。カメラのレンズ前にハーフミラーを立てる装置、その下に置くモニター、それらを支えるリグ。ソフトはこの構成の一部です。
- 操作する担当者がいる。スクロール速度を読み手に合わせてその場で調整します。読む人と操作する人が別なのが前提です。
- 複数の出力先に同時に送る。カメラごとのプロンプター、会場のモニター、司会者用の返しを同時に扱います。
- 本番中に落ちない構成にする。予備機への切り替えや、回線が切れても表示が残る作りが求められます。
- 有償ライセンスで導入する。個人が無料で試せる形では提供されていないことが多いです。
国内でも専用ソフトを提供するベンダーがあり、業界誌でも紹介されています。放送や大規模イベントの現場で使われているのは、こちらの製品です。逆に言えば、個人が一人で撮影するときに必要な要件とは、ほとんど重なりません。
個人用アプリとの違い
同じ「原稿を流して読む」機能でも、想定している現場が違うと製品の形が変わります。
| 比較項目 | 業務用ソフト | 個人用アプリ |
|---|---|---|
| 想定する現場 | 放送・大規模イベント・企業の配信 | 一人での動画撮影・Web会議・練習 |
| 操作する人 | 読み手とは別の担当者 | 読み手が自分で操作する |
| ハードウェア | ハーフミラー装置とセットで導入 | 端末の画面をそのまま使う |
| 出力先 | 複数のカメラ・モニターに同時 | 手元の1台 |
| 費用 | 有償ライセンス | 無料または月額数百円規模 |
| 導入までの時間 | 選定・見積・設置 | その場でインストール |
表の左と右は、どちらが優れているという関係ではありません。一人で撮る現場に業務用を入れても、操作する人がいないので機能の大半が使えません。逆に放送の現場に個人用アプリを持ち込んでも、出力先が足りません。
自分の撮影はどちらか
次のどれかに当てはまるなら、業務用の検討が必要です。
- カメラが2台以上あり、それぞれにプロンプターを付ける
- 読み手と操作者が別の人になる
- 会場のモニターや別室に同じ原稿を出す
- 生配信で、途中で止まると取り返しがつかない
逆に、次のような撮影であれば個人用アプリで条件が揃います。
- 自分一人で撮って、撮り直しができる
- カメラは1台(スマートフォンやノートパソコンの内蔵カメラを含む)
- 原稿を読みながら自分で速度を調整する
- Web会議やオンライン面接で手元に原稿を出したい
YouTube やSNS向けの撮影、社内向けの説明動画、オンライン講義の収録は、ほぼすべて後者です。
個人用アプリで足りる理由
一人で撮る現場では、業務用の中心的な機能——複数出力と担当者による速度操作——がそもそも要りません。必要なのは、原稿が読める大きさで表示されること、速度を自分で変えられること、視線がレンズから離れないことの3つです。
視線については、ハーフミラーの装置がなくても条件は作れます。スマートフォンやタブレットのカメラモードを使えば、撮影中の映像に原稿が重なるので、原稿を読みながらレンズを見た状態になります。パソコンなら、プロンプターのウィンドウを画面の最上部——カメラの真下——に細長く配置します。
速度についても、自分で操作するほうが読みやすい場面は多いです。担当者がいる前提の機械的な一定速度より、自分の息づかいで送るほうが自然に読めます。
速度の設定は日本語向けに直す
海外製のソフトやアプリを日本語で使うとき、速度の既定値が英語向けになっていることがあります。日本語の読み上げは1分あたり300文字前後が基準です。アナウンサーの読みがこの速さで、ナレーションはやや速く350文字、ゆっくり読む場合は250文字程度になります。
文字数で速度を指定できるなら300から始めてください。単語数でしか指定できない場合は、原稿を実際に流して自分の読む速さに合うところまで手で調整することになります。自分の速さは 話す速度の計算ツール で測れます。
費用の考え方
業務用は導入費用が発生します。ソフト単体ではなくハードウェアと設置を含めた構成で見積もることになるため、現場の要件が固まっていない段階で比較しても意味がありません。まず何台のカメラに出すのか、誰が操作するのかを決めてから相談する順序になります。
個人用アプリは、無料の範囲で始めて必要になったら課金するのが実際的です。原稿を読むという基本機能はどのアプリでもほぼ無料で、有料になりやすいのは撮影の書き出しやクラウド保存です。無料の境界がどこにあるかは 無料のテレプロンプターアプリ にまとめています。
まず試す順序
個人用で足りる撮影なら、選定に時間をかける必要はありません。ブラウザ版 を開いて原稿を貼り、20秒だけ試し録りしてください。視線の見え方と読む速さが確認できれば、それ以上の機能が必要かどうかも同時に分かります。
iPhone や iPad で撮影しながら読むなら iPhone アプリ、Mac で使うなら Mac アプリ です。Windows で使う場合はブラウザ版が選択肢になります(Windows・PC で無料で使う)。
よくある質問
プロンプターソフトと個人用アプリの違いは何ですか?
想定している現場が違います。業務用ソフトは放送局やイベント会場向けで、ハーフミラーの装置とセットで導入し、読み手とは別の担当者が速度を操作し、複数のカメラやモニターに同時出力する前提です。個人用アプリは一人での撮影が前提で、端末の画面をそのまま使い、読み手が自分で速度を操作します。
個人の動画撮影に業務用ソフトは必要ですか?
必要ありません。業務用の中心機能である複数出力と担当者による速度操作は、一人で撮る現場では使う場面がありません。必要なのは、原稿が読める大きさで表示されること、速度を自分で変えられること、視線がレンズから離れないことの3つで、これは無料のアプリで揃います。
無料のプロンプターソフトはありますか?
業務用として提供されているソフトは有償ライセンスが基本です。無料で使えるのは個人向けのアプリとブラウザ版で、原稿を貼り付けて自動スクロールで読む基本機能は無料の範囲に入っています。有料になりやすいのは撮影の書き出しやクラウド保存です。
Windows で使えるプロンプターソフトはありますか?
ブラウザで動くものが使えます。ページを開いて原稿を貼るだけで、インストールは不要です。本サイトのアプリは iPhone・iPad・Mac 向けのため、Windows では基本的にブラウザ版を使う形になります。
業務用ソフトを検討すべきなのはどんな場合ですか?
カメラが2台以上あってそれぞれにプロンプターを付ける場合、読み手と操作者が別の人になる場合、会場のモニターや別室に同じ原稿を出す場合、そして生配信で途中で止まると取り返しがつかない場合です。このいずれかに当てはまるなら、ソフト単体ではなくハードウェアと設置を含めた構成で検討することになります。
プロンプターソフトの速度は日本語向けに直す必要がありますか?
海外製の場合は確認してください。既定値が英語向けの単語数で入っていることがあり、日本語で読むと遅くなります。日本語の読み上げは1分あたり300文字前後が基準です。ナレーションはやや速く350文字、ゆっくり読む場合は250文字程度が目安になります。
個人用で足りるかどうか、まず試す
ブラウザ版は登録もインストールも不要です。原稿を貼って20秒だけ試し録りすれば、それ以上の機能が必要かどうかも同時に分かります。
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